Tシャツアラカルト【歴史編】

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Tシャツの広まったワケ

今ではスポーツアイテムからカジュアルウェアまで、幅広く使われているTシャツ。
老若男女問わず着ることができるフォルムや、
色とりどりのカラーがあることは今や当たり前ですが、
では、Tシャツが広まったのはいったいいつのことなのでしょうか??

今回はTシャツの始まりにスポットをあててみたいと思います。

海軍さんの大活躍!!

Tシャツブームのきっかけのひとつは、第一次、第二次大戦のアメリカと言われています。

第一次世界大戦中に開発されたTシャツの原型となる「スポーツシャツ」は、
短い袖と襟元についたボタン、伸縮性のある縫い方が特徴で、
シアーズ・ローバック社が通販カタログを使って低価格で流通されるようになりました。

そのスポーツシャツへ、1930年ごろに下着会社だったヘインズ社が
「コブ・シャツ(水兵シャツ)」と名前を付けたことにより、
「海兵さんのシャツ」としてTシャツは広まり始めました。

時のアメリカ海軍は海兵たちの下着として、このTシャツを用いました。
着替えも簡単、汗を拭いたり、防煙マスクとしても使え、ときには「降参」の白旗にもなる。

その頃からTシャツは”万能アイテム”として海兵たちに愛され始めます。

とあるアメリカ人の詩人はそんな海兵たちを見てこんな詩を詠んだと言われています。
”海にはいいことがある。
船乗りならだれでも知っている。
くすんだ色の軍服を着ないですむ。
風は吹く。
波は自由に広がっている。
だけど船は錆びついている”(G.M.,OurNavy)

その後カジュアルになった制服は、重要な行事や上陸許可された場所でも着用できるようになりました。

ところ変わってイギリスでもTシャツの起源説が存在しています。

19世紀後半のイギリスでは、海軍の船員は青い制服の下に
運動服のようなウールの下着をつけていました。
ある日、ロイヤルファミリーのおひとかたが、艦隊の抜き打ち検査をすると発表。
(一説ではビクトリア女王自身だったそうです)
係官たちはあわてて船員を整列させ、点検を始めますが、
袖のない下着では刺青や毛深く男臭い腕を隠すことは出きないことが明白でした。
すぐさま係官は船員たちに袖を縫い付けることを命じ、
だらしない露出をロイヤルファミリーに見せないようにしたそうです。

違った説が多々ある「Tシャツのなりたち」ですが、
一般的には1913年にアメリカ海軍が広めた「半袖、丸首、襟のないもの」と定義付けされているようです。

最初はウールで作られていたTシャツも、大戦を経て綿で作られるようになりました。
酷い湿気や寒さに、フランスの軍人もアメリカ式のTシャツを採用。
軍を介し、Tシャツは世界に広まっていったのでした。

今はたくさんの種類があり、世界各国で老若男女に切られているTシャツですが、
スタートは「使いやすさ」から広まったのは流石!の一言です。