【生地の知識】タフでドライ、爽やかポリエステル

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これからの暑い季節やスポーツのシーンで大活躍のドライTシャツ。
今回はドライTシャツの主な素材である「ポリエステル」についてスポットをあてたいと思います!

 

ポリエステルってどんな生地?

ポリエステルは1950年代に開発された合成繊維の一つです。
繊維以外ではペットボトルなどにもポリエステルが使われています。

ポリエステルはもともとイギリスのキャリコプリンターズ社テレリンが発表し、
その後アメリカのデュポン社が特許を取得、工業化した石油由来の繊維です。
日本では1958年から生産が始まったそうです。

合成繊維の中でも強度や耐熱性、染色性に優れているため扱いやすく、
糸を紡ぐ際に糸の形状を細かく変えたり、
抗菌素材など他の機能を持つ素材を練りこむことで色々な特性を持たせたりすることができます。
衣類はもちろん、傘などの日用品など、用途が大変幅広いのも特徴の一つです。
扱いやすい素材のためニーズもあり、現在生産されている合成繊維の大半はポリエステルです。

 

ポリエステルの特徴

①吸湿性が低いため乾きやすい

生地自体が水を吸いにくい性質のため、乾きやすい特性があります。
この特性を活かし、汗をかくスポーツのユニフォームなどに使用されます。
逆に吸湿性が低いため、夏の高温期はやや蒸れやすく、冬場など乾燥する場所では静電気が発生しやすいです。
糸自体の加工や織り方で、蒸れにくい工夫がされている商品もあります。

②熱につよくて丈夫

合成繊維の中では熱に強いのが特徴です。
また、生地自体が丈夫で水にさらしても伸び縮みしません。

③柔らかく、ハリ・コシがありシワになりにくい

つるつるとした柔らかな風合いがあり、ピンと伸ばせばハリ・コシが強い特徴があります。
コシのある素材なのでシワになりにくく、型崩れも起こしません。

④染色性が弱く色移りしやすい

綿などに比べると染色性が弱く、シルクプリントなどの加工を施した衣類は、
洗濯などの使用に伴い、インク部分に生地の色が吸い上げられてしまう可能性があるため
シルクプリントをしたポリエステル商品のお洗濯や取扱いは、
なるべくシルクプリントの部分に高温をあてないなどの注意が必要です。
一般にこの現象を移行昇華と呼びます。
これはポリエステルの染色につかわれている染料に由来するものです。

⑤キズ、毛玉ができやすい

繊維自体は丈夫ですが、つるりとした生地表面のため、ひっかき傷は目立ちます。
また、摩耗による毛玉もできやすいため、お洗濯の際はネットに入れるなど注意が必要です。
基本的にTシャツなどは水洗いOKの商品が多いですが、
おしゃれ着でポリエステルのものは石油系の洗剤が使えないこともあるため、
洗濯表示を必ず見たうえでクリーニングに出すか洗濯機で洗うか決める必要があります。

 

ポリエステルは前述のとおり他の特性を持つ素材を練りこんだり、
織り方に工夫をするなど合成繊維ならではの柔軟性に富んだ加工がされています。
そのためお洗濯の方法も洗濯表示を確かめて、商品にあったお洗濯をすることで、生地の持ちがよくなります。

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【生地の知識】柔らか+しっかり者!綿(めん)

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ガレージの商品の中でも圧倒的に使用されている「綿」について今回はスポットをあててみたいと思います。

綿はアオイ科ワタ属の多年草の植物です。
糸のもとになるワタの部分は種の周りについています。
綿の種は固い蒴果(さくか:実のことです)に覆われていて、蒴果が熟すとはじけて綿花が現れます。
綿は「摘み取った状態そのままのものを棉」「種を取り除いたものを綿」と表現し、どちらも読み方は「めん」です。

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綿の歴史

綿は非常に古くから人との付き合いがあり、そのスタートは諸説ありますが
約8000年前~7000年前にさかのぼると言われています。
起源はメキシコもしくはインダス文明から始まったとされる説があり、
インダス川流域で木綿産業が発展し、インドから地中海へ、そこから世界へと広まったようです。

日本へは799年ごろに漂着したインド人によってもたらされ、栽培されたというのが一般的な説です。
しかし栽培は1年ほどで途切れてしまい、その後は明や挑戦からの輸入に頼ることになり、長い間綿は高級品でした。

日本で綿の栽培が一般的になるのは16世紀以降、戦国時代後期からは全国的に綿布の使用が普及しました。
綿の栽培が爆発的に拡大したのは江戸時代です。
特に大阪近郊で生産が盛んになり、木綿問屋も形成され、
綿を染める染料の藍や肥料になる干鰯などの関連事業も同時に隆盛したようです。

明治以降は綿布の生産が政府によって強化され、1930年代には輸出量世界一に。
その後安い原料が輸入により入るようになり、一時衰退しますが第二次大戦後に復活、再び世界一になります。
現在はアジアなどから輸入があるため生産量は減少し、国内自給率はほぼゼロですが、
オーガニックコットンなどの栽培などは個人やNPO法人などで行われています。
最近では東日本大震災の津波による塩害を受けた耕作地で、農業復興事業として綿の栽培が見直され始めました。

綿の特徴

①肌触りがよい

繊維の先が丸みを帯びているため、柔らかく肌触りが良いです。

②熱につよくて丈夫

熱に強いタフさを持っているため、アイロンや高温のお湯でも痛みにくい性質があります。

③染色性、発色性に富む

染色性が非常によく、しっかり色が付きます。
逆にシミなどは落ちにくいため注意が必要です。

④白く変質しやすい

お洗濯や着用によって怒る摩耗により毛羽立つ性質があります。
そのため、年数がたつと白っぽく変質しやすいです。

⑤水をよく吸い、縮みやすい

繊維の中が空洞になっているので水をよく吸います。
水にぬれた状態では、乾燥した状態より15%程度強度があがりますが、
水分を含み膨張した状態から乾燥すると、繊維が縮んでしまう特徴もあります。
水やアルカリにも強いためお洗濯には強いですが、縮まないように注意が必要です。

⑥シワになりやすい

天然素材の綿は変形した状態からの回復力が弱いため、シワになりやすい特徴があります。

綿は肌触りがよく、吸水性が良いためタオルや下着などに多く使用されますが、
縮みやすく、シワになりやすい素材のためお洗濯には少し注意が必要です。
干す際にきちんとシワを伸ばして干すことや
多少の縮みを考慮してサイズ選びをするなどの対策を行いましょう。

現在市場に出回っている商品は防縮加工(縮みにくくする加工)を施されているものがほとんどですが、
お洗濯や着用の際のひと手間で長持ち度が大きく変わります。

 


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Tシャツアラカルト【歴史編】

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Tシャツの広まったワケ

今ではスポーツアイテムからカジュアルウェアまで、幅広く使われているTシャツ。
老若男女問わず着ることができるフォルムや、
色とりどりのカラーがあることは今や当たり前ですが、
では、Tシャツが広まったのはいったいいつのことなのでしょうか??

今回はTシャツの始まりにスポットをあててみたいと思います。

海軍さんの大活躍!!

Tシャツブームのきっかけのひとつは、第一次、第二次大戦のアメリカと言われています。

第一次世界大戦中に開発されたTシャツの原型となる「スポーツシャツ」は、
短い袖と襟元についたボタン、伸縮性のある縫い方が特徴で、
シアーズ・ローバック社が通販カタログを使って低価格で流通されるようになりました。

そのスポーツシャツへ、1930年ごろに下着会社だったヘインズ社が
「コブ・シャツ(水兵シャツ)」と名前を付けたことにより、
「海兵さんのシャツ」としてTシャツは広まり始めました。

時のアメリカ海軍は海兵たちの下着として、このTシャツを用いました。
着替えも簡単、汗を拭いたり、防煙マスクとしても使え、ときには「降参」の白旗にもなる。

その頃からTシャツは”万能アイテム”として海兵たちに愛され始めます。

とあるアメリカ人の詩人はそんな海兵たちを見てこんな詩を詠んだと言われています。
”海にはいいことがある。
船乗りならだれでも知っている。
くすんだ色の軍服を着ないですむ。
風は吹く。
波は自由に広がっている。
だけど船は錆びついている”(G.M.,OurNavy)

その後カジュアルになった制服は、重要な行事や上陸許可された場所でも着用できるようになりました。

ところ変わってイギリスでもTシャツの起源説が存在しています。

19世紀後半のイギリスでは、海軍の船員は青い制服の下に
運動服のようなウールの下着をつけていました。
ある日、ロイヤルファミリーのおひとかたが、艦隊の抜き打ち検査をすると発表。
(一説ではビクトリア女王自身だったそうです)
係官たちはあわてて船員を整列させ、点検を始めますが、
袖のない下着では刺青や毛深く男臭い腕を隠すことは出きないことが明白でした。
すぐさま係官は船員たちに袖を縫い付けることを命じ、
だらしない露出をロイヤルファミリーに見せないようにしたそうです。

違った説が多々ある「Tシャツのなりたち」ですが、
一般的には1913年にアメリカ海軍が広めた「半袖、丸首、襟のないもの」と定義付けされているようです。

最初はウールで作られていたTシャツも、大戦を経て綿で作られるようになりました。
酷い湿気や寒さに、フランスの軍人もアメリカ式のTシャツを採用。
軍を介し、Tシャツは世界に広まっていったのでした。

今はたくさんの種類があり、世界各国で老若男女に切られているTシャツですが、
スタートは「使いやすさ」から広まったのは流石!の一言です。